こんにちは。50代の看護師ととまです。
わたしは30代で看護師になりました。
今、社会人から看護師を目指そうとしているあなた。
正看護師(以下、看護師と呼ぶ)と准看護師の2つの違いについて疑問に感じていませんか?
■看護師と准看護師ってどう違うの?
■社会人から看護師を目指すならどっちがいいの?
と疑問に思われているのではないでしょうか。
これらの疑問に現役ナースのわたしがお答えします。
看護師と准看護師の違いは次の5 つです。
1.資格を発行している場所が違う
2.学費が違う
3.給料が違う
4.昇級が違う
5.働く場所が違う
上記の5つの違いです。
ととま
なので、准看護師として3年ほど働いた経験があります
この記事では看護師と准看護師の違いについてわかりやすく解説をしていきます。
1.資格を発行しているところが違う
看護師と准看護師の資格を発行しているところが違います。
看護師
厚生労働大臣から発行されます。
看護師の資格は国家資格です。
准看護師
准看護師の資格は各都道府県知事が発行します。
都道府県の免許ということになりますが、免許を取得した都道府県だけでなく全国どこでも使えることができる資格です。
ただ引っ越しなどで、住所が変わる時には手続きが必要になります。
看護師の試験と准看護師の試験を管轄している場所が国、都道府県と違いますので試験内容はもちろんですが実施場所も全く違います。
准看護師の試験は各都道府県で行いますが、看護師の試験の実施場所は、
北海道、青森県、宮城県、東京都、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県となります。
★現役ナースの本音★
看護師試験のレベルからいったら看護師の方が難しいです。
しっかり勉強しないと落ちてしまいます。
その反面、准看護師免許はよほどサボらない限り合格できます。
学費が違う
看護師
看護師と准看護師になるための学校は就業年数が違います。
看護師は最短で3年制の全日制の学校に通うことになります。
受験するには高卒以上の学歴が必要です。
日本看護協会の調査によると、看護師になるための3年制の専門学校や短大などの学費の平均値は年間84万円になります。
(4年制の大学は含まれていません)
840,000×3=2,520,000
3年間で2,520,000円かかることになります。
でもこれは平均値です。
看護学校の学費はその学校でかなり差がありますので、あくまでも参考にしてください。
准看護師
准看護師の学校は2年制の定時制の学校がほとんどです。
午後に授業がある学校が多いようです。
受験するには中卒以上の学歴が必要です。
日本看護協会の調査によると、准看護師になるための養成所の学費の平均値は年間55万円です。
550,000×2=1,100,000
2年間で1,100,000円かかることになります。
准看護師の免許は2年で取れますし、かかる費用も安く済むという特徴があります。
資格の取りやすさから言ったら准看護師免許の方が取りやすいと言えます。
★現役ナースの本音★
学費は断然准看護師養成所の方が安いです。
奨学金を借りると学費のほとんどが賄える場合も多いです。
とにかくお金をかけずに免許を取りたい人には最高です。
給料が違う
看護師と准看護師の給料は違います。
どこの職場でも資格によって給料ははっきりと分けられています。
日本看護協会の調査によると看護師と准看護師の給料は月額で6~8万円の違いがあるようです。
准看護師より看護師の方が給料がよいということになります。
基本給が違うと年2回のボーナスにも影響してきますし、退職金にも影響がありますね。
給料の差も病院の規定によるので、もっと差がある病院やそれほど差がない病院と様々です。
わたしの以前勤務していた職場では、准看護師でも経験年数が長い看護師はそれほど差がない職場もありました。
ととま
細かい事実を確認できたわけではないのですが、話などの印象からそう感じたということです
★現役ナースの本音★
同じ仕事内容なのに給料が違うことで、准看護師の人は少なからず内心は面白くない人が多いようです。
しかし看護師にしてみれば准看護師の人よりも長い間勉強をしてきており、難しい試験を突破しているという気持ちが心の中にはあるようです。
昇級が違う
看護師と准看護師の仕事内容は同じです。
准看護師だからできない業務というのはありません。現場では同じように仕事をしています。
でも法律では次のように定められています。
准看護師は都道府県知事の免許を得て、医師、看護師の指示を受け療養上の世話や診察上の補助などを行う
と定められています。
つまり、准看護師は看護師の指示の元に働くということになっているのです。
でも、実際に現場では看護師が准看護師に指示を出したりはしません。
同等の立場で仕事をしています。
でも、資格のレベルからいったら看護師の方が上に位置づけられています。
准看護師でとても仕事ができる人がいても、主任や師長に昇格することはありません。
同じように仕事をこなして、むしろ仕事がバリバリできる准看護師だとしても出世はできません。
准看護師に役職をつけている職場はほとんどありません。
法律で准看護師は看護師の指示の元に、とうたわれているので看護師に指示を出す立場にはなれないのです。
でもこれは例外があります。
たとえば施設などは准看護師でも役職についている職場があります。
施設は病院とは違い准看護師が働いている割合が高いです。
また最先端の医療の現場ではないので、雇用している側もそこまで看護師と准看護師を分けて考えていないというのが実情です。
わたしが特別養護老人ホームで働いていた時は、看護師の上に准看護師の上司がいました。
施設に看護師が採用されても、以前から働いている准看護師の方が立場が上というのは当たり前の世界でした。
准看護師のときに働いていた病院では、わたしが在籍している最中に准看護師の役職者は全員役職を解かれて一般職になっていました。
そして看護師が役職についていました。
准看護師免許がいずれ廃止になる背景や時代の流れで、病院は准看護師の役職を解いた時期だったようです。
わたしが今働いている病院では准看護師の役職者はいません。
ととま
准看護師は2年で免許が取れますが、
■仕事内容が同じでも給料が違う
■役職につけない
などの理由で、モチベーションが下がってしまう可能性もあります。
わたしが実際に現場で働いてきた中では、准看護師よりも看護師の人が偉そうにしているという職場はありませんでした。
同じように仕事をしていました。
でも、それぞれの心の中の本音はわかりません。
★現役ナースの本音★
一般職については現場で明らかに立場上の差があるわけではありません。
でも、経験年数の長い准看護師にとっては自分よりも仕事のできない看護師が出世するのは内心複雑なようでした。
働く場所が違う
看護師も准看護師も働く場所はたくさんあります。
入院のある病院以外にも、外来、施設、訪問看護、デイサービス、保育園、献血センター・・・・たくさんあります。
それ以外にも、看護学校の教員という選択肢もあります。
ととま
ただ、看護学校の教員になりたい場合は、看護師でないとなることはできません。
もう一つ注意したいのが、大きな大学病院や総合病院では准看護師の採用はありません。
准看護師の資格は日本看護協会の方針でいずれは廃止の方向です。
看護師になって大きな病院でバリバリ働きたいと思う人は看護師免許を取得しましょう。
★現役ナースの本音★
個人のクリニックなどはいくらでも安く採用できる准看護師を好んで採用するところもあります。
個人のクリニックや施設などの方が准看護師の需要は多いです。
おわりに
看護師と准看護師の違いについて紹介しました。
今、准看護師が廃止になる流れがあります。そのため養成施設は減少しています。
これからさらに減少していくと思われますが今現在まだ養成施設はあります。
どうせ働くなら看護師がいいと思われる方と、とにかく早く安く看護師になりたい人がいると思います。
両方をじっくり比べられるようわたしが実際に現場で感じた、現役ナースの本音も紹介してみました。
今社会人のあなたがこれから看護師を目指す時に、どっちを選んだらいいのか、参考にしてもらえたら嬉しいです。